2025年3月16日に、関東付近の雨雲レーダーで見られたブライトバンドという現象はなんでしょうか?
普段はあまり耳にしない言葉なので気になりますよね。
そこで、ブライトバンドについて調べてみました。
ブライトバンドとは?
ブライトバンドはどんな現象?
ブライトバンドとは、気象学においてレーダー観測で見られる現象の一つです。
降水レーダー画像において、ある高度で降水強度が急に強く表示される帯状のエリアを指します。
これは、雪や氷の粒が融解して液体の雨に変わる際に発生します。
具体的には、雪や氷が融ける過程で、一時的に降水粒子が液体と固体の混合状態になると、レーダー波がそれらの粒子に反射されやすくなります。
このため、レーダー画像上で強い反射として表示され、結果的に「帯」(バンド)のように見えるのです。この現象は主に融解層(約0℃付近)で観測されます。
【レーダーに輪っか】
関東付近の雨雲レーダーを見ると、移動しないリング状のエコーが出現しています。これはレーダー特有の「ブライトバンド」と呼ばれる反応で、リング状の強い雨雲は実際には存在しません。
上空に「みぞれ」の層(融解層)があることを示唆しています。https://t.co/tqT9XuPeDm pic.twitter.com/9Gw7sOvCEZ— ウェザーニュース (@wni_jp) March 15, 2025
ブライトバンドはどうして輪に見える?
レーダー画像でブライトバンドが輪のように見える理由は、気象レーダーが地上から360度の方向にスキャンして得たデータを表示するためです。
降水レーダーでは、観測地点(通常はレーダーアンテナの位置)を中心に円形のエリアを表示します。
ブライトバンドは特定の高度(融解層の高さ)で発生し、その高度において反射強度が強くなるため、スキャンしたデータが円形のパターンとして映し出されます。
地形や天候の条件によって形が歪む場合もありますが、多くの場合、レーダーのスキャン範囲が輪状に見えることでブライトバンドも輪の形で捉えられるのです。
どうやって消えていく?
ブライトバンドは、融解層(雪や氷が雨に変わる高度)で特定の条件下で形成されますが、その条件が変化することで次第に消えていきます。
その主な要因は以下の通りです。
・気温の変化:
融解層の高さが上下に移動することで、ブライトバンドが観測範囲から外れることがあります。
たとえば、気温が上昇すると融解層が高くなり、逆に気温が低下すると層が地上近くに移動し、ブライトバンドが薄れていきます。
・降水の変化:
降水の種類や強さが変化すると、反射率が変わるためブライトバンドが目立たなくなる場合があります。
たとえば、完全に雨になった場合にはブライトバンド特有の強い反射は見られなくなります。
・上昇気流や下降気流の影響:
大気の垂直運動が強い場合、粒子が急速に融解または蒸発し、ブライトバンドの特徴が弱まることがあります。
基本的には、ブライトバンドは一時的な現象で、大気条件が変わるにつれて自然に消滅していきます。
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あとがき
上空の状況は刻一刻と変化していることで、レーダーには稀にブライトバンドと呼ばれる現象がみられることもあるようです。
雨雲レーダーには、綺麗な輪に見えるので、ちょっと違和感もあり珍しく感じますよね。
時間が経過することで、自然と消えてしまいますが、ブライトバンドという現象、この機会に覚えておきましょう。