夏になると毎年のように起こるゲリラ豪雨。
短時間にすごい量の雨が降り
各地で大きな被害がでることもあります。
でもゲリラ豪雨って
そもそもどんな雨なのでしょう?
どんな仕組みで発生するのでしょう?
対策はどうすればいいのでしょう?
そこでゲリラ豪雨についてご紹介します。
ゲリラ豪雨とはどんな雨?
ゲリラ豪雨はどんな雨なのでしょう?
ゲリラ豪雨の特徴は?
ゲリラ豪雨の特徴は以下の4つになります。
1.突然発生する
2.予想が難しい
3.局地的に降る
4.同時多発することがある
単独の積乱雲が発達して起きるため、狭い範囲に大量の強い雨が短時間に集中して降ります。
ゲリラ豪雨が発生するとどうなる?
実際にゲリラ豪雨が発生すると地域により以下のような被害が出ることがあります。
・駅のホームなどで強い雨風が吹き込む
・地下街や地下鉄駅に雨水が流れ込む
・大量の雨で道路が冠水する
・車が立ち往生する
・マンホールから水が噴き出したり蓋が飛んだり
・川が増水して中州に取り残される
・地盤が大雨で緩み土砂災害が発生する
・床上・床下浸水などの被害が発生する
都市部の下水処理能力は降雨量が1時間に50ミリ程度の想定ですが、ゲリラ豪雨の降雨量は1時間に60ミリから120ミリ超ということもあります。
このような雨が短時間に降ると排水が難しく処理能力オーバーとなり道路の冠水や水没という被害になります。
これらのことを踏まえ、近年では1時間に75ミリの降雨の対応が進んでいる地域もあります。
ゲリラ豪雨は正式名称ではない!?
ゲリラ豪雨は正式な気象用語ではありません。
気象庁の予報用語ではゲリラ豪雨は使わず、集中豪雨や局地的大雨、また短時間強雨などの言葉を使います。
因みに集中豪雨や局地的大雨は気象庁で以下のように定義されています。
集中豪雨とは
同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨。
局地的大雨とは
急に強く降り、数十分の短時間に狭い範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨。
出典:気象庁ホームページ (https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kousui.html)
ゲリラ豪雨と呼ぶようになったのはいつから?
ゲリラ豪雨は1970年代頃からマスメディアが使い始めた言葉になります。
ではなぜゲリラ豪雨と呼ばれるようになったのでしょう?
名前の由来については以下のようになります。
ゲリラとは
元々は軍事用語のことで奇襲して混乱させる非正規部隊のことをさします。
そこから予測が難しく突発的に降り出す雨を「ゲリラ」に例えたことが始まりで2006年頃から広く用いられるようになりました。
2008年には「ユーキャン新語・流行語大賞」に選出されウェザーニューズ社が流行語大賞を受賞しています。
ただ爆弾低気圧同様に軍事を連想させる表現は不適切とされ正式な気象用語ではないようです。
ゲリラ豪雨が起こる仕組みは?
ゲリラ豪雨が起こる仕組みはどのようになっているのでしょう。
その仕組みをわかりやすくまとめてみました。
1.日差しにより地面が温められます
2.地表近くの空気の温度が上がります
3.上昇気流が起きて雲を作ります
4.雲は垂直方向に発達し積乱雲になります
5.暖かく湿った空気が吹き込みます(海風など)
6.雲の中の大量の水が支えきれなくなり一気に雨になります
ゲリラ豪雨が起こる原因は積乱雲?
このようにゲリラ豪雨が起きる原因は急激に発達する積乱雲です。
積乱雲は大気が不安定な状況で発生し発達します。
上空に冷たい空気があり地上付近に暖かい空気がある状態のことです。
暖かい空気は上に昇り冷たい空気は下に降りるように対流が起きやすい状態になり暖かい空気が湿っていると積乱雲は発達します。
この積乱雲は山岳などのある場所で上昇気流が発生して起こるのが一般的ですが、近年は都市部でも発生して局地的な大雨を降らせています。
ゲリラ豪雨が東京など都市部で起こる原因は?
都市部で起こるゲリラ豪雨はヒートアイランド現象が原因といわれています。
ヒートアイランド(heat island=熱の島)現象とは
都市の気温が周囲よりも高くなる現象のことです。気温の分布図を描くと、高温域が都市を中心に島のような形状に分布することから、このように呼ばれるようになりました。
出典:気象庁ホームページ (https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/himr_faq/01/qa.html)
都市部は様々な要因で暑くなっています。
1.アスファルトで舗装された道路やコンクリートの建物が熱をため込み冷えにくい
2.自動車の排気ガスやエアコンの室外機から出る熱風
3.ビルなど建物が密集して風が遮られ風通りがわるく熱がこもる
都市部ではヒートアイランド現象に加え、ビルなど建物が林立しているため上昇気流が起こり積乱雲が発生します。
ゲリラ豪雨の対策はどうする?
ゲリラ豪雨対策はどうすればいいのでしょう。
ゲリラ豪雨は予測が難しいため、あらかじめ予定することができません。
そのため常に最新の天気予報を確認するようにしましょう。
また自分がいる場所の天候の変化も確認しておくことが一番の対策になります。
そのときに役立つのがアプリです。
・3D雨雲ウォッチ
・Yahoo!天気
・Yahoo!防災速報
とくにゲリラ豪雨が多い季節は一日に何度も確認することをお勧めします。
これから大雨が降るということがわかれば、すぐに安全な場所に避難します。
雨が降っているのは短時間ですので、雨が止んでから行動するようにしましょう。
あとがき
ゲリラ豪雨は短時間の局地的な集中豪雨です。
強風と大雨の中を出歩いてもずぶ濡れになるだけで、かえって危険です。
安全な場所で少し待てば雨風も止みますので焦らず早めに避難するようにしましょう。
また地下街などにいる場合は外につながる階段付近は滝のような雨水が流れてくる可能性があります。
床も濡れて滑りやすいので周りをよく確認して慌てずに安全を確保してください。